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元寇(4) - のうほうく丸機関長
2025/10/15 (Wed) 17:32:23
神風が吹いて(神に守られて)日本は勝った!と日本国内で語り継がれたのは大きな日本側の間違い
鋭いご指摘です
「神風」によって日本が救われた、というのは 後世の精神的物語化 の側面が強いです。実際の戦況を分析すると、日本の勝利要因はもっと複合的で、「神風だけ」ではありません。
1. 日本側の戦略的対応
・短期決戦を避けたことが決定的でした。
元軍は上陸しても、すぐに日本軍と決戦できず、長期戦に持ち込まれて補給難に陥りました。
・九州の御家人たちはゲリラ的に襲撃し、元軍を消耗させた。
・村や食料を退避させることで、元軍の現地調達を封じました。
2. 元軍の兵站崩壊
・先ほど触れたように、補給・飲料水・兵站計画は完全に破綻。
・強制動員された高麗兵や南宋兵は士気が低く、持久戦に耐えられませんでした。
・台風が来る前からすでに瓦解しつつあったと考えられます。
3. 台風(暴風雨)の役割
・弘安の役(二度目の侵略)では確かに大型の暴風雨が襲い、船団が壊滅的打撃を受けました。
・しかし、
*船が急造の脆弱な構造だったこと、
*大軍が補給難で長期間海上に滞在していたこと
が背景にあり、暴風雨は最後の止めを刺した要因にすぎません。
4. 「神風」伝承の政治的意味
鎌倉幕府にとっては「御家人に報酬(土地)を与えられない」問題がありました。
*元軍は略奪目的で来たわけではなく、討ち取った首級や戦利品が少なかった。
*諸将を納得させるために「日本は神に守られた」という精神的報酬が必要だった。
・その結果、**「神国思想」**が強調され、のちの時代(南北朝・戦国・太平洋戦争)まで使われ続けました。
武将が頑張ったからではなく、神風が吹いたから勝った!お前たち武将には報奨金は払わない!と言うことかな?(村木の感想)
まとめると:
「神風=勝因」という理解は、日本の国内向けのプロパガンダであり、実際の勝因は日本側の持久戦術+元軍の補給破綻。台風は“決定打”にすぎなかった。